さて、今年はコースをバイアスタイヤのDUNLOP Q-LITEで走ってみました。
選択した理由はノーマルの設定サイズのタイヤで足回りをリセットしてから作り直すということと、今年はミニコースをメインで走って練習すると決めたのですが、高価なラジアルタイヤをミニコースで消耗させるのは勿体無いんじゃないかと思ったからです。
今年、本コースは6時間、ミニコースは時間を作って18時間走りました。最初の2時間ほどリアは昨年使ったラジアルを継続で使いました。
前後ともQ-LITEを2セット使いリアはまだ十分使用できる状態にあるように思います。
ザクっと寿命はフロント12時間。リア16時間くらいかなと思います。
もちろんこれは乗り手の技量、バイクの違い、コースの差、走行ペースに大きく左右されると思います。例えば、二気筒でこのタイヤを使うと10%減、125で使うと20%増など。この寿命を長いか短いかとするのは比較対象を何とするかで別れると思いますが、少ない自分の経験としては昨年履いていたDUNLOP α-14の10〜15%減くらいの寿命のように感じています。
このタイヤの特筆すべき点
・耐熱ダレ特性
じゃないかなと思います。
真夏のミニコースで一人耐久まがいのことをやったのですが、グリップも比較的安定しタイヤを起因とする腰砕けのような症状を起こさず終日安定していました。あくまでも想像ですが、この辺りはASEAN諸国での使われ方を念頭に置いた特性が基礎にあるからなんじゃないかと思います(おそらくなんですが、彼の地で盛んなアンダーボーンのスポーツバイクレース向けに作ったものがベースなのではないかと思うのです)。
あとはメーカーの言う通りグリップと耐摩耗性をバランスさせ正常進化したバイアススポーツタイヤなんだろうと思います。昔のTT300GP、TT500GPなんて3時間で終わってましたからね。その頃と比べたらえらい進化です。
あと、雨中のでの水捌け性も高いように感じました。
ネガティブな点は?
・雑な操作を許容しない
ラフな切り返しをしたり、丁寧に荷重を乗せてないと、いきなり破綻するような雰囲気のものではないですが、チャタリング的に挙動が出たりイヤな滑り方をします。ラジアルだと許容する操作なのでいかにラジアルに助けられているかと言うことでもあると思います。
・フロントタイヤの摩耗が早い
ダンロップの二輪用タイヤの特性ですかね。あっという間(コース走行10時間弱くらい?)にショルダー部はスリップサインに達します。まあ、スリップサインが出てもまだ使えるのですがその状態でのタイヤのプロファイルはどうなんでしょうか。
・硬い
手組するときも走らせても硬いという印象がついて回ります。足回りのセッティングや空気圧を色々変えてみましたがバイアスだからしゃあないに落ち着きました
あり? なし?
コース走行専用のバイクに履かせたわけですが、練習用としては「あり」、乾坤一擲のタイムアタック用としては「なし」という当たり前の結論になるのだろうと思います。繰り返しになりますが、あくまでもコース用としてです。昨年履いていたα-14との差は20〜1分弱程度のラップのミニコースで1〜2秒落ち、2分10秒あたりの本コースで2〜4秒落ちという結果でした(フロントQ-LITE、リアα-14だと本コース1秒落ちが出てますが誤計測かも)。
公道用としてはメーカーの主張通りオールラウンダーのスポーツタイヤなのだろうと思います。おそらく250クラスに履かせると1万キロは楽に機能する優秀なタイヤなのでしょう。
条件を厭わず距離を乗る方や自分のようにミニサーキットメインの練習用に悪くない選択の一つだろうと思います。
※中型クラスのスポーツバイク向けタイヤに関しては20年近い経験のギャップがあって大して技量の高くない者がああだこうだ言っても参考にならないと思うのですが、最近ブログ上でインプレを書く方が減っているからかQ-LITEについて書いたページのPVが伸びているので自分なりの総括を記させていただきました