Steel Wheels

Point of no return

雨の合間に走って思うこと

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先日のリアサス交換でハンドリングのバランスが大きく崩れてしまったかもしれないと思い、そこそこの速度が出る山坂道へ。乗車1G が「偶然いいところへ落ち着いた」のか特に違和感もなく走れました。もう足回りはこれでいいかと思ったり。

似たような経験を以前もしていて、KLX250に乗っていた頃にコース用のノビータイヤがもったいないから街乗り用にD-Trackerのホイールを履かせてなんちゃってスーパーモタード仕様を作った時、サスをあれこれ弄り回さないとダメだろうと思ったらバネも油面も突き出しもイニシャルも全部KLXのままでバランスしてしまったということがありました。その後、スーパーモタードコースで遊び始めてセッティング沼に入るのですが、ホイールポン付けで街乗りから山道だとなんの問題もなく走れる高バランスの足でした。実はこれD-TrackerのDefaultなんですよね。口の悪い人はメーカーの手抜きだと言うかもしれないのですが、そういうことは起こり得るんだと知りました。ついでに書いてしまうと前後バネを舗装コース向けの硬いものに変えると水冷Z系そっくりのハンドリングになりました。

さて、Jのこと。US仕様なのでdefaultはキャスター角のカタログ値は29度。寝てます。自分のJは1型後期(?)とのことでステムのオフセット50ミリ。トレールは100ミリ前後くらいでしょうか。真横から見るとアメリカンバイクのようなフロント周りです。この見た目だと「曲がらないバイク」と思う人が多いでしょう。実際にはどうかというと、タイヤの位置が手前に感じ、コーナリング時のフロントの追従性も遅れすぎることがなくニュートラルなハンドリングです。もちろんそれはネイキッドバイクの枠の中ではですが、80年代初めにこのJのハンドリングを導き出していたというのはカワサキのバイク作りの特記に値すると思います。またサイズ的に大きなはずなのに走らせるとコンパクトに感じるというのも独特です。後の空冷のユニトラックのGPzシリーズもその傾向で、さすがに1100はウスらデカイと感じましたが400、750はポジションの出来のよさもありコンパクトに感じるバイクでした。コンパクトとは、ただ小さく感じるのではなく、操作に対しての反応をダイレクトに感じられバイクそのものが手の内にある感覚とでも言えば良いでしょうか。ブレーキやスロットルでの姿勢作り、バンクしたときのリニアさなどボカされたり散漫に感じたりすることなくバイクの反応を掴めます。このことが自信をもって走らせられるということに繋がっているのでしょう。

当時の文章書きのみなさんはZやGPzを称して大きく重く曲がらないバイクとしていました。今でもそれは生きています。本当に乗ったんでしょうかね? いや、乗れたんでしょうか? 自分は疑問に思っています(カワサキの中にもなんでこんなヘンテコハンドリングのバイクを売ったんだ?と思うやつもありましたけど)。

自分のJの現状はリアに長いサスユニットを入れて、フロントフォークは長いUS仕様です。EU仕様の車高を上げたものとも言えますが、スイングアームの対地角、ドライブスプロケ、アームピポット、アクスル軸、正直に言うと設定できるギリギリのところだと思います。おそらくバランスする限界値に近いところです。ドライブスプロケ変えただけで破綻するくらいの状態じゃないかと思います。

現状だとコースでタイムを削るような走りをしはじめると、フロントのバネのレート不足やスイングアーム対地角が過大であることのネガティブな面が出はじめると思いますが、もう人がそこまでの能力を持ってないですからね。

のんびりと大ハズレしないような足回りを作っていこうと思います